今回からは、福祉施設を紹介していこうと思います!
今回紹介する「まおろしの郷」は、特別養護老人ホームと言って、
基本的には在宅での生活が困難になった高齢者の方が入居する施設です。
最近では、看取りに取り組む施設も多くなっているらしく、
もはや「終の住処」とも言えるのかもしれません・・・。
そんな施設を、寒々とした場所にしないように
介護老人福祉施設には見えないような設計にしたいと考えたそうです!
そこで、建地の近くにある咲花温泉に寄せて、
温泉旅館の別邸のような雰囲気にし、地域となじませる外観になっています。
内装では特に天井部分にこだわって設計がされていました。
車椅子移動や寝たきりになった高齢者の方が、上を見上げている時間が長いと考えたからだそうです。
この施設では、病院のような蛍光灯のまぶしさを感じることなく、
廊下の天井はなるべく自然光を取り入れる事が出来るようになっています。
素材は、壁だけではなく天井も塗り壁になっていました。
これには理由があって、天井にも調湿・消臭性の高い素材を使うことで、
介護時に発生する複合臭が上部にこもり続けないようにするためでした!
ただのデザインや雰囲気だけでなく、意味があって塗り壁にしていたんです。
入居する高齢者の方だけではなく、職員の方が気にする所にも気を付けられていますね。
この施設では、
高齢者の方がどんな場所を見がちなのか、
どのように過ごすのか、
また、職員の方が何を気にするのか、
などを考え抜いた、アトリエ設計事務所ならではの視点のように感じました!
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